フォレスト・ガンプ〜一期一会〜

映画「フォレスト・ガンプ~一期一会~」は、1994年に放映されたアメリカの映画。第67回アカデミー賞作品賞、第52回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞を受賞をした作品です。

監督は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ロジャー・ラビット」のロバート・ゼメキス。

主演の主人公のフォレスト・ガンプを、「グリーンマイル」、「ターミナル」のトム・ハンクス。

ひたむきで実直、純粋な主人公

他の人よりも少し知能指数が低いIQ75のフォレスト・ガンプ。

そんなガンプが様々な人と出会い、その時々の縁を大切にしながら、激動の時代を駆け抜け成長していく。1人の純粋な心を持った青年の壮大な人生の物語。

ガンプがバス停でプレゼントの箱のようなものを持ちバスを待っているところから映画が始まります。

小さい頃から今の自分に至るまでの歴史を振り返りながら隣に居合わせた人に話していく形で物語は進んでいきます。

映画の時系列は

・バス停で大人になったガンプが過去を回想して話をする

・幼少期の話

・学生時代の話

・兵役、戦争時代の話

・兵役後のビジネスを興した時代の話

・バス停で話をしている現在

・プレゼントを誰かに渡しに行き、その後の話

ラスト

その時々の時代で、まるでいくつもの人生を生きているかのようなガンプの人生。

そのガンプの人生から教訓や人生の学びが満載されているのがこの映画のポイントなっています。

フォレスト・ガンプはこんな人におススメ!

・生きることへの勇気や元気をもらいたい人
・少し落ち込んでいて今の仕事や生活がうまくいっていない人
・自分のやりたいことがあって迷っている人
・より良い生き方を模索している人

人を愛すること、ひたむきに生きること、置かれた場所で一生懸命やりきること、心の声に従うこと、友人や愛する人をちゃんと大切にすること・・・。

人として何を押さえるべきなのかをシンプルに生きているガンプの姿は30年近く経った今でもリマスターされるほど魅了しているのです。

励まし、信じ、愛する母の深い愛と深い教訓

生まれつき体が弱く、知能指数も低かったフォレストにとって、母は一番の理解者であり庇護者でした。

背骨がゆがんで歩行が困難だった息子のために装具を用意したときは「これは魔法の靴よ」「他人にバカにされてはダメよ」と勇気づけました。

IQの低さから養護学校への入学を勧められたときも「お前はみんなと何ひとつ違わないのよ」と励ましてきました。

ありのままのフォレストを愛し、何でもわかりやすく説明し、ひとりでも強い心をもって生きていけるよう背中を押し続けてくれたのが母だったのです。

「じきに死ぬの」と病床でほほえむ母は最後のちからを振りしぼり、最愛の息子に「自分の運命は自分で決める」ことの大切さを説きます。

人生はチョコレートの箱のようなもの。食べてみるまで中身はわからない。

だからその手で箱を開け、どんな形のチョコレートを選びとるかは自分自身で決めるのよ、と。 そして、こんな言葉を遺すのです。 “神がお前に与えたもので、ベストを尽くすのよ”

目の前のことに全力投球!出会った人達を本当に大切にしていく

ガンプは常に全力で一生懸命、目の前のことに向き合って激動の人生を生きていきます。

私たちは、ついつい目の前のことから逃げてしまったり、投げ出してしまったり、いい加減になってしまいます。

この映画の副題は「一期一会」。

一期一会とは、千利休が残した言葉で「あなたと出会っているこの時間、この瞬間は二度とめぐってこないたった1度のもの」という考え方のこと。

まさに1つ1つの出会い、瞬間瞬間を生きているガンプから感じるものは必ずあると思います。

大切なことって、遠くになるものではなくて目の前に近くにあるものです。

絶望しても、生き続けることで絶望から抜け出せることの素晴らしさ。

フォレスト・ガンプに出てくるダン・テイラーというキャラクターがいて、その人はもともと軍人で軍隊ではガンプの上長です。

そのダンはある辛いことが起きるますが、映画が進むにつれて彼はどんどん変わっていきます。

一見絶望に感じることでも、あきらめずに生き続ければ、どんな苦しく辛い悲しい経験でもマイナスで終わることはありません。

1人の人を愛し続ける男

ガンプはヒロインのジェニーを幼いころから人生が終わるまで愛し続けます。

ガンプとジェニーの関係性を見ていく中で、「愛とは何か?」と深く考えさせられます。

より良く生きるとは何か?

「生きるために本当に大切なことって、もうすべて目の前にあるんじゃないか?」フォレスト・ガンプを観ると感じさせられます。

家族もいる、愛する人もいる、友人もいる、今生きている。

よりよく生きるということとは今あるものに感謝して、今近くにいてくれる縁のある人たちを全力で愛して、大切にしていくことではないかと、シンプルに考えるガンプから気づかされます。

「ギフト(gift)」という言葉には「才能」という意味があります。

その力は神様から与えられた贈りもの、という考え方が英語圏にはあるのでしょう。ただ、頭が良いことや絵を描けること、ギターを上手に弾けることだけが才能ではありません。

人がもつ力はすべて神様からの贈りものであり、たとえば人に対する「誠実さ」さえギフトと呼べるかもしれません。

事実、フォレストはその誠実さが好転して、みずからの人生を切り開いていきます。

自分はあまり賢くないことを自覚して、ママの教えをしかと受け止め、人との出会いを大切にし、人に対してまっすぐ向き合う。

そういう人柄だからこそ、彼を応援したり救ってくれる人が現れる。運も転がり込んでくる。

打算も野心もない、この純度の高い誠実さは、ひとつの才能なのかもしれません。

いずれにしても彼は、人に対しても、自分に対しても誠実に生きました。

もしかしたら私たちは、与えられたもの以上の力を望みすぎなのかもしれません。

今ある力でベストを尽くさず、他人をうらやみ、必要以上に人より優位に立とうとしているのかもしれません。

でも大切なのはフォレストのように、そしてママの言うように「与えられたものでベストを尽くす」こと。

そうすればその後の人生はきっと、チョコレートの箱のように楽しいものになるはずです。

フォレストと対照的なヒロインジェニー

純粋かつシンプルで誠実なフォレスト・ガンプとは対照的な人生のヒロインジェニー。

彼女はフォレスト・ガンプと幼なじみで、心の支えでもあった初恋の女性です。

足の矯正器(歩行訓練器)が外れるきっかけになったのも、ジェニーが「走るのよフォレスト!走って!」を声を振り絞ってくれたおかげだし、高校まではずっと一緒でした。

しかし、その後はお互い別々の人生を歩みます。

走れば走るほど成功するフォレスト・ガンプ。そして人生を流されるままに走るほど、破滅していくジェニー。性的虐待をする父親、暴力彼氏、ドラッグにはまる。

ジェニーの人生はアメリカの闇を思わせる不幸な人生にも見えるが、フォレスト・ガンプが常に透明に透き通っていられる為に必要な人生だったのかもしれません。

ジェニーの人生とフォレスト・ガンプの人生はお互いのそれが無いと存在できないものであり、裏と表の関係です。

全てのものは表と裏でできており、表しかないものも裏しかないものも存在しないのです。



引用画像:
https://www.cheatsheet.com/entertainment/john-travolta-forrest-gump.html/
https://outsider.com/entertainment/filmmaker-barry-sonnenfeld-took-long-time-make-peace-decision-turn-down-forrest-gump/

参考サイト: