終身雇用制度がもはや機能しなくなった現在、副業をする人が増えています。本業の合間を縫って他の仕事をするのは、大変なこともありますよね。
でも、副業をやることには収入を増やすだけでなく脳のアンチエイジングに効果があるのです。
手応えを感じやすいのは副業
まず、副業をすると、働くことへのモチベーションが高まる事が期待できます。経営学では「職務特性理論」(Job Characteristics Theory)いいます。
しかし「自分が仕事の全プロセスに関わっている」「仕事の成果が相手の役に立っていると実感できている」
「自分のやった成果にフィードバックがある」など「仕事の手応え」を得られると人はモチベーションが上がるのです。
仕事の分業化が進んでいる会社勤めでは、社員が「組織の歯車」となりがちで手応えを感じにくくなっています。
一方副業は多くの場合、自分で仕事のプロセスの大半に関われて、お客さんからの手応えも伝わりやすい。働く喜びを感じる機会が得られるのです。
自分自身の多様性が高まるのも副業
第二に、「イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)」が高まります。
いろいろな仕事を通じて知見、能力、経験の幅を広げていけば、自分のなかにそれらの多様性を取り込むことができるということです。
「1人ダイバーシティ」を実現するとは、言い換えると、遠くの新しい知に触れる「知の探索」をやり続けることです。
認知心理学でわかっているのは「人はそもそも認知が狭い」ということです。私たち一人ひとりが認知できる世界は、誰でも大して大きくはないのです。
だからこそ、遠くの幅広いことを経験すると、本業以外に視野・認知が広がり、やがてそれが成果につながり得るのです。
というわけで、「最近、なんか仕事がマンネリ気味だなあ〜」という人は、環境の異なる場で副業してみてはいかがでしょうか。
お金のためではなく、それが自分のモチベーション向上につながり、自分のなかに多様性を高め、成長を促すからです。
脳は筋肉よりも速やかに変化する
モチベーションが上がり、ものの見方に多様性が出ると言うことは脳に刺激を与えていることです。刺激を与えることで脳は鍛えることができます。
「脳も筋肉のように鍛えられる、使わなければ衰える」と言われますが、実は脳のほうが筋肉より早く変化するのです。
副業を通じて何かの見方、感じ方を変えたとしたら、それはすでに脳のネットワークが変化したということ。
筋肉の変化は一朝一夕にはいきませんが、脳の変化はもっと早いのです。40~50代以降の 脳の老化を防ぐ手立ては実は副業にあるのかもしれません。
参考サイト
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