スポーツによる怪我は防止できる。

子どもからお年寄りまで、健康に過ごすため運動は必要不可欠です。そんな中、運動の頻度が高く、過酷であっても、スポーツを生業とするプロの選手の場合「怪我はつきものだから仕方ない」の一言で片付けられることも事実です。

しかし、選手生命を危ぶまれるほどの大怪我をすることも多く、できる限り怪我はしない方が良いに越したことはありません。そこでスポーツ中の怪我の防止やプレーを改善する技術の開発が進み、注目を集めています。

布製のセンサーを身に付ける

これまで、スポーツ中のデータの測定にはウエアラブルセンサーを身体に装着することが一般的でしたが、ニューヨークに本社を置くスタートアップ企業は、本当に「着られる」機器の開発を行っています。

これは衣服や他の素材に回路を織り込み、電気的特性を持たせることで、布製のセンサーを作るという仕組みです。

肘の内側から外側に広がり、前腕と上腕三頭筋を広くカバーできる仕様で、野球の投球動作における負荷管理と投球予測の計算に実用されるとみられています。

今後この技術が実証された場合、地面の反力を測定できる靴下も開発し、マラソンなど脚に負荷のかかるスポーツにも応用されることが期待されています。

脳震盪が問題になっている

さらに近年、アメリカンフットボールやラグビー、サッカーなどで体のコンタクトやボールにぶつかることで起こる脳振盪が報告され、意識を失うなど重大な症状に繋がるケースがあることも事実です。

例えばアメリカンフットボールの場合、原則としてヘルメットを使用するため、ヘルメットにセンサーを内蔵し、衝撃度や加速度の測定が行われてきました。

しかし、現実にはヘルメットと頭の動きに違いがあるため測定精度が低下してしまうデメリットがあったといいます。

マウスガードで衝撃を測定する

そこで、ミネソタ州に本社を置く別のスタートアップ企業は、上顎部に装着し、頭部衝撃をモニタリングするマウスガードの開発を進めています。

元来マウスガードは、ヘルメットの着用ができないボクシング用に設計されたといわれ、ヘルメットを着用する競技では使用されていなかった時期もあります。

しかし現在開発を進める製品では12のデータポイントでどのような衝撃を受けたかをリアルタイムに測定し、脳震盪の程度やその他の障害をコーチや医療スタッフに周知させ、その後の対処を迅速に行う時に役立つとみられています。

「スポーツ選手」としての寿命は、スポーツの種別によって長短の差があります。またそれ以外にも怪我や故障で引退を余儀なくされたり、体力的な衰えなど引退時期は個人によってさまざまです。

しかし何としてでも避けたい「怪我を予防する技術の開発」は、決して長いとはいえない競技人生の中でハイパフォーマンスをし、納得して現役を終えるために大きく貢献するのかもしれません。

引用画像:
https://news.microsoft.com/transform/smart-mouthguards-help-high-school-football-coaches-make-safe-decisions-from-the-sidelines/

参考サイト: