海外から注目される「リサイクル率81%」の村。

不用品の整理や、それに伴って捨てるものがたくさんあり、ドサッとまとめて処分。

中には「まだ使えるんじゃないの?」と思えるような物が多数あり「全部捨ててしまうのはもったいない。」

「再利用やリサイクルできたらいいんだけど…」と考える、エコや環境問題に関心のある人も多くいることでしょう。

そんな再利用やリサイクルに関して、日本の「廃棄物ゼロ」村が海外から注目されています。

日本の全国レベルをはるかに上回る

それは、徳島県東部にある上勝町です。上勝町といえば「樫原の棚田」「山犬嶽」といった日本の原風景が残る秘境といえばピンとくる人もいるでしょう。

そんな上勝町の再利用、リサイクルの取り組みは、これまでのところ、当初設定された高い目標に達していません。

ですが環境省のデータによると、上勝町は2020年にすべての廃棄物81%をリサイクルしました。

これは 2008 年の58.6% から増加し、日本の全国レベルをはるかに上回っています。日本全国は平均20パーセント。

上勝町の軌跡

再利用革命のルーツは数十年前にさかのぼります。

戦後好景気の日本では、大量産業の拡大により大量の廃棄物が発生し、1955 年の 620 万トンから 1980 年には 4,390 万トンに増加しました。

これを受けて、上勝町を含む全国の自治体が焼却炉の建設を開始。

しかし、時間が経つにつれて、汚染が発生していることへの懸念が高まりました。2001年までに、上勝町は大規模な焼却炉を閉鎖しました。

2016年には現在の45カテゴリーに達し、2020年にはゼロウェイストセンターの建設が完了しました。

上勝町55の集落は森林に覆われた山々に囲まれた広い地域に広がっているため、戸別収集には費用がかかることを考慮しています。

町は住民に廃棄物をセンターに持ち込むことになります。高齢者など、廃棄物センター行けない人は、送迎を手配できます。 当初、実装には抵抗がありました。

一部の住民にとっては、ゴミの準備と分別が大変でした。

時間が経つにつれて、「しかし、人々はそれに慣れました。」と上勝のゼロ・ウェイスト・アカデミーの元会長である坂野氏は述べます。

見学者の声

四国の学生たち、およそ30人が2日間の日程で町を視察しました。

ごみが持ち込まれる拠点で実際に細かく分別される様子を見学したほか、町に住む人が持ち寄った食器や洋服を無料で持ち帰ることができる施設を訪れます。

町ぐるみで資源を循環させることでむだをなくしていることに感心した表情を見せていました。

参加した香川県の学生は、「徳島でこれほど先進的な取り組みをやっているとは知らなかった。

住民の協力で循環型の社会が実現されていることに驚いた」と話します。

また徳島県の大学院生は、「地域によって異なる事情もあり上勝町の手法をそのままやるのは難しいかもしれないが、少しでも参考にして取り入れる地域が増えたらいいと思う」と話しています。

2020年以来、ゼロ・ウェイスト・ジャパンは、全国の地方自治体に環境に優しい政策を広めることに注力してきました。

熊本県の水俣や奈良県の斑鳩など、他の日本の町はすでに取り組み始めています。

持続可能な環境に優しい循環型経済の実現が、小さいな町から広がっていくかもしれません。



引用画像:環境省 データ:リサイクル率は全国平均20%


参考サイト: