野球の試合時間は短くなる。

第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本はアメリカを下し、2009年の第2回大会以来、3大会ぶりに世界の頂点に立ちました。

日本中が歓喜の渦に包まれている中、密かに、ある問題が取り沙汰されており、未来の野球を本格的に変えるかもしれません。

若者の野球離れが加速している

それは、試合時間の長さです。今回のWBCを例にすると、日本戦が行われた予選は、日本時間19時プレイボール、試合時間はいずれも3時間を超え、最も長かった韓国戦は4時間を超えていました。

このように試合時間が長いのは日本戦だけではなく、他国の試合も同様で、試合展開上仕方がないものの、特に若い世代の野球離れを加速させる一因との見方もされています。

違反した場合罰金が科せられる

こうした状況を改善するべくメジャーリーグでは、あらゆる場面に時間制限を設け、試合時間の短縮を進めています。

例えば、攻守交代の時間を2分25秒、全国放送される試合では2分45秒と定め、残り30秒までに投手は投球練習を終え、打者が打席に入る時間や投球動作に入る時間なども細かく時間制限を設けています。

ほかにも、打者は基本的にバッターボックスに片足を残しておかなければならないルールなどが盛り込まれ、違反した場合は警告、または罰金を科されることが決められています。

MiLBではAIが審判をしている

さらに2020年のシーズンからMLB参加のマイナーリーグ(MiLB)では、すでに「Automated Ball-Strike System(ABS:自動ボールストライク判定システム)」を導入されています。

このシステムは、従来のポジションに審判がそれぞれ立っていますが、主審の耳にはAirPodsが装着され、判別ソフトウェアが判定したストライクかボールの結果が伝えられるというものです。

試合時間の短縮に貢献する

ESPNの調査によると、審判はビデオリプレイを確認するために平均1分37秒を費やしているといいます。

しかし、ロボット審判の導入によってマイナーリーグの試合は9分短縮されたことも明らかになり、目的としていた時間短縮に繋がっていることは明らかです。

スポーツに限らず、昨今、多くの場面で時間の短縮について議論されることが多い中、若者の野球離れの一因が「時間」であるならば、想定される方法を駆使した時短は理想的です。

しかし、今回のWBCの準決勝のイタリア戦で、ダルビッシュ有投手が浴びたホームランの判定が疑わしいとして、ネット上では未だ物議を醸しています。

結果的に勝利したため、この話は、まるでなかったことになっているものの、”誤審”である可能性は高いことは事実です。

さまざまなルール変更によって”野球の未来”が変わろうとしている今、審判は世間に対する信頼と責任を負い、そしてスポーツはフェアであることを私たちは心に留めておく必要がありそうです。

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