朝ご飯を食べながらパラパラ、電車の中でパラパラ、休憩中にコーヒーを飲みながらパラパラ……
こんなふうに親しまれてきた「新聞」。
読むだけでなく、「野菜の保存」「荷物を送る際の緩衝材」「濡れた靴を乾かす」「工作・作業を行なう際に下に敷く」 など、様々な用途にも使える優れもの。
このような使い方をした覚えがある、という方もたくさんいるでしょう。
根強い人気の紙媒体
そんな新聞。最近では各新聞社が電子版を発行しています。
株式会社プラネットの「新聞に関する意識調査」によると、
・『紙』の 新聞を中心に読んでいきたいが43.2%
・『電子版』の新聞を中心に読んでいきたいが7.2%。
「紙」と「電子版」の併用派は12.4%だった。
つまり、まだまだ紙で読む根強いファンもたくさんいるということです。
ですが、紙媒体であろうが、画面上であろうが、新聞は「読む」ことには変わりありません。
このように、長年読まれて親しまれてきた新聞。しかし、これからは新聞は読んで情報を取り入れるものではなく、「観て」取り入れるものになるかもしれません。
なぜなら、「3Dで体感する新聞紙」が登場したからです。
9月7日〜11日にかけてオーストリアのリンツで開催されたメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2022」に、「日本経済新聞社」が興味深い展示をおこないました。
その展示は、3Dで体感する未来の新聞「DATASPACE」です。
グラフが落ちてくる
「DATASPACE」は、今年2月から世界的なニュースになっている、ロシアのウクライナ侵攻の影響にフォーカスした内容を具現化したものです。
侵攻の影響による資源価格や株価、難民数といったデータを幅16m、高さ9mの大空間に3Dビジュアルとして投影しています。
食品の価格変化についてはグラフのパネルが崩れ落ちるような表現をしていたりと、活字を読んで情報を取り込むのではなく、視覚で“観て”情報を取り込むようなつくりになっています。
一種のアートにも見えますが、これは、データに基づいたニュースをアートとして表現しているのです。
「感じ」「考え」「問い」「対話する」一連の行為を見るものに伝える「アーティスティク・ジャーナリズム」と呼ばれる新しいメディア表現です。
今はまだ、 “興味深いニュース”にとどまっていますが、近い未来、新聞紙のスタンダードは紙でも電子版でもなく、『3D』になってくるのかもしれません。
参考サイト:
3Dで体感する新聞紙。そんな言葉を聞いたら、はじめは意味が分からないが、少なからず興味が湧きそうだ。9月7日〜11日にかけてオーストリアのリンツで開催されたメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2022」に、日本経済新聞社がおもしろい展示をおこなった。