2022年に厚生労働省が発表した簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳で、非常に長寿です。
ですが、健康寿命は、平均寿命より10年ほど短いと言われています。つまり、健康上の問題で日常生活に制限のある期間が、およそ10年あるということになります。
そのため、いつまでも元気に楽しく過ごすためには、健康寿命に気を遣う必要があります。
健康維持に筋肉は必須
実は、立つ、歩く、座るといった動きだけでなく、呼吸、発声、食事といった行動にも筋肉は必要です。
ですが、筋肉量は、40歳頃から落ち始め、80歳時点では、ピーク時の70%以下にまで減少すると言われています。
筋肉量が減るほど、転倒しやすくなり、要介護状態に陥るリスクが高くなります。
そのため、高齢になればなるほど、手遅れになると思われがちです。
ですが、高齢でも筋トレに効果があると、コペンハーゲン大学のヘルシーエイジング研究センターは発表しました。
70歳を過ぎても、筋トレは効果あり!
コペンハーゲン大学のヘルシーエイジング研究センターは、70歳前後の男性を対象に、ウェイトトレーニングに関する実験を行いました。
実験では、計58名の健康な高齢男性(72歳±5歳)を2つのグループに分けました。1つ目のグループには、週3回のウェイトトレーニングを16週間に渡って続けてもらいました。
もう一方のグループには、ウェイトトレーニングなしで16週間を過ごしてもらいました。
その結果、実験開始から8週間の時点で、すでに、トレーニングを続けたグループで、筋肉量の増加とフィットネスの改善に著しい効果が現れました。
つまり、人生の後半に運動を始めても、身体に十分な変化をもたらすことができることを示しています。
もちろん、ウェイトトレーニングやその他の運動によって、老化に伴う筋肉量の減少を止めることはできません。
しかし、そのペースを遅らせることは可能です。
長生きするならば、健康でなければ意味がありません。そのため、人生の早い段階から運動を続けて、筋肉の「蓄え」を作っておくことは大切なのです。
まずは、衰えやすい足腰の筋肉から!
もし筋トレを始めるのなら、優先的に行いたい部位があります。それは、足腰です。
足腰の筋肉は、手や腕といった上肢の筋肉に比べ、筋肉量が低下するスピードが早いことが判っています。
特に重要なのは、太もも前部分の大腿四頭筋とお尻の大殿筋です。これらの筋肉は、2本足で立ったり歩いたりするために不可欠です。
なので、筋トレのメニューにスクワットを取り入れてください。あまり運動をしてこなかった人でも、足腰を鍛えやすいからです。
いつまでも健康で長生きするために、コツコツと「貯筋」を始めましょう。
参考サイト:
厚生労働省は2022年7月29日、2021年分の平均寿命と平均余命が記載された令和3年簡易生命表を発表しました。令和3年簡易生命表の概況男の平均寿命は 81.47 年、女の平均寿命は87.57年となり、平均寿命(2021)と健康寿命(2019)との差は、男8.79年、女12.19年となりま…
人間は40歳から筋肉量が落ち始め高齢の筋トレは無意味と思われがちです。しかしデンマークUCは70歳前後の高齢男性でも筋肉量の増加や身体的健康の向上が確認できたと発表。筋トレに遅すぎることはないようです
筋肉は、体を動かすために不可欠なだけでなく、健康の維持にも大きく関わっているため、できるだけ早くから鍛えておかなければなりません。筋肉が果たす役割や効果的な鍛え方についてご紹介。