プロ級の作品を「誰でも」創れる時代がきた

「一生懸命書いたけどうまくならない」「親や先生に下手と言われた」「絵が絶望的に下手」「もう絵を書くことはない」など絵心がないと、悩みをもつ人は多いと思います。

絵心や画像を描くソフトがなくても、テキストを入力するだけで、誰でもすぐにプロ級のイラストが作成できる。

そんな夢のような画像生成AIが最近話題となっています。

イーロン・マスクが共同創設者に名を連ねる米国のAI開発企業、OpenAIが「DALL・E2」を発表。同じく米国のAI開発企業、Midjourneyが「Midjourney」の提供を開始しました。

ソフトや有料プランによっては商業利用可能なものもあり、小説の挿絵からゲームの背景、使いかたによってはマンガまで、個人でもアイデアと工夫で活用できる夢のような画像生成AIです。

議論が巻き起こる

一方で、人工知能(AI)を使って制作した絵画がコンテストで優勝作品に選ばれたことをきっかけに、論議が巻き起こっています。

芸術作品がコンピューターで生成できるのか、そして芸術家とは何かという議論です。

ジェイソン・アレンさん(39)はコロラド州プエブロウェスト在住のゲームデザイナーです。

同州の美術コンテストに出品した作品が8月、新人アーティスト部門の「デジタルアート・デジタル加工写真」分野で1位に選ばれました。

優勝作品の「Theatre D’opera Spatial」は、文章で指示した通りの画像を生成できるAIシステム「ミッドジャーニー」を使って制作したものでした。

アレンさんの作品が1位を取ったことで、この問題が脚光を浴びました。

「ムカついた。ロボットをオリンピックに出場させないのとまったく同じ理由だ」などの声もあります。

デジタルツールを組み合わせて作品を仕上げる

これに対し、制作には相当の手をかけたとアレンさんは訴えます。アレンさんが出品した3枚の作品を完成させるまでには80時間以上を要したといいます。

時間をかけながら指示言葉に微調整を加え(光の具合や色調など)、900のバージョンを作成して最終的に3枚の画像を完成させました。

次に画像編集ソフトの「フォトショップ」を使って3枚の画像の仕上げを行い、受賞作品についてはミッドジャーニーが生成した画像の女性に頭がありませんでいた。

そして、ウェーブの黒髪の頭を書き足しました。

その後、「ギガピクセルAI」という別のソフトを使って解像度を上げ、近くのプリントショップでこの画像をカンバスに印刷したそうです。

アレンさんの優勝作品

芸術作品の制作にAIが使用できるかどうかという論議が巻き起こったことは歓迎するとアレンさんは言います。

「技術やその背後にいる人を嫌うより、これがパワフルなツールだと認識する必要がある。私たちみんながふてくされていないで前進できるように」と話しています。

アートの世界で賛否両論ありますが、使い方しだいでは無限に可能性が広がる新しい時代の幕開けを感じます。画像生成AIを試してみるのもいいかもしれません。


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