アルツハイマーとは、脳神経が悪い方向で変化することが原因で起こる病気です。
認知症の中で最も多いタイプですが、完全に治癒する薬はまだ存在しません。
サウスフロリダ大学の研究チームは2021年10月5日付の学術誌「Frontiers in Aging Neuroscience」で発表しました。
それは、バジルに含まれる「フェンコール」に、アルツハイマー型認知症への予防効果があることを特定したという研究内容です。
アルツハイマーを予防するには?
アルツハイマー型認知症はどのようにて起こるのでしょうか?
アルツハイマーが起きる原因のひとつは、アミロイドベータというタンパク質が、脳内のニューロンの隙間に付着してしまうことです。これで脳の機能を萎縮して、認知症を発症させます。
アルツハイマー型認知症患者では、腸からの代謝物であるSCFA(短鎖脂肪酸)の減少が頻繁に見られます。
SCFAは血流を介して腸から脳に到達し、脳の神経細胞に含まれるFFAR2(遊離脂肪酸受容体2)に結合して、脳が活性化することが知られています。
つまり、SCFAとFFAR2が相互に作用にすることによって、アルツハイマーに対する予防効果があるのです。
どんな調査を行ったのか?
ここで新しい課題が発生します。SCFAは血液循環によって脳に到達する前に、胃や腸によって消化されてしまうのです。
アルツハイマーを予防するには、SCFAの代わりに、FFAR2と結合できる成分を見つけなければなりません。
研究チームは、14万種以上の成分を対象とした調査を行い、SCFAと成分が近く、同じ能力を持つ稼働物の候補を探しました。
その結果、バジルの香りを生み出すもたらす成分「フェンコール」が、FFAR2に結合し、脳神経の情報伝達を促進する能力に優れていることが判明しました。
フェンコールが起こすアミロイドベータへの影響を調査しました。
それは、アルツハイマー患者の脳に見られるアミロイドベータが原因で発生したゾンビ細胞(老化した神経細胞)を減少させていることも判明したのです。
フェンコールの働きにより、ゾンビ細胞は死滅していったのです。
以上の調査結果からフェンコールには、腸からの代謝物であるSCFAと同様に、アミロイドベータを減らしてアルツハイマーの予防に有益な効果があることが示されました。
バジルを食べよう!
研究チームにとっての次の課題は、バジルに含まれるフェンコールの最も効果的な摂取方法の特定です。
バジルをそのまま食べた方が良いのか。バジルからフェンコールだけを分離して錠剤にした方が良いのか。
鼻腔スプレーとして、フェンコールを最短距離で脳に届けた方が良いのか。実用化には解決すべき問題が多く有ります。
しかし、ただ、バジルには、ビタミンEやカルシウム、ベータカロテンなど、栄養素が豊富に詰まっています。
アルツハイマーを予防する以外の理由でも、今のうちから食べておいても十分にOKですね。
バジルの入手方法についてですが、日本ではメジャーではないため、購入できる場所がまだ少ない現実があります。
紀伊國屋スーパーや百貨店の野菜コーナーといった高級な感じのするお店で多く売られています。
街中にあるスーパーですと、東急ストアは専属の農家と契約しているため、入手しやすいです。
通販ですと、JAが運営する「JAストア」が最も豊富に在庫があります。皆様も是非、バジルを食べてみましょう!
JAタウン:https://www.ja-town.com/shop/g/g4401-4401harbbazsil02/
参考サイト:
サウスフロリダ大はバジルに含まれる化合物「フェンコール」に、アルツハイマーへ予防効果があると報告。病の原因「アミロイドβ」を減少させる作用があったそう。今後どのように脳に届けるのが最適か検証が必要です。