昨今、世界的に環境問題への関心が高まり「カーボンニュートラル」という言葉を見聞きする機会が増えてきました。
中でも、ガソリン車は、二酸化炭素を多く排出することから、いち早く廃止の動きがとられたもののひとつです。このように”何か”への影響を懸念し、廃止する動きは、他の分野にも起こりつつあるとみられています。
室内汚染物質の懸念がある
それは、世界の多くの家庭に備えられており、鍋やフライパンを利用した加熱調理をする時になくてはならない「ガスコンロ」です。
アメリカ消費者製品安全委員会は、2023年1月10日に『Bloomberg』にて公開された記事の中で、ガスコンロを「隠れた危険」である味方を示し、ガスコンロの使用禁止を検討していることを発表しました。
こうした動きの背景には、ガスから放出される有害な室内空気汚染物質に対する懸念が高まったことがあるとみられています。
健康に害を及ぼす
アメリカの家庭において使用されている天然ガスストーブの約40%が、二酸化窒素、一酸化炭素、微粒子などの大気汚染物質を排出しているといわれています。
世界保健機関の調査によると、呼吸器疾患、心血管障害、ガン、その他の健康状態に影響を及ぼすことも事実です。
さらに、現在のアメリカにおける小児喘息症例の12%以上がガスストーブの使用に起因している可能性があることも明らかになりました。
条例でガスの使用を禁じた
アメリカでは、環境保全の観点から、他にも「ガス禁止」の動きが加速しています。これを受けて、約100の市と都市が、化石燃料から完全電気住宅への移行に取り組んでいます。
ニューヨーク市議会は2021年の段階で、年末までに7階建て未満の新しい建物に天然ガスを使った設備を設けることを禁止しています。
さらに、カリフォルニア州大気資源委員会は、2030年までに天然ガス燃焼炉と給湯器の販売を禁止することを決定しています。
IHが普及し、代替品があるガスですが、それでもなお、生活必需品と言っても過言ではありません。そのため、ガスを使用する時は換気をしながら、さらに、電磁調理器を併用する方法も推奨されています。
まだまだ、健康や、環境との因果関係について調査初期段階のようですが、禁止にならずとも、いずれはガソリン車同様に姿を消す運命にあるのかもしれません。
参考サイト:
The US Consumer Product Safety Commission will move to regulate gas stoves as new research links them to childhood asthma.
Nearly 28 million Americans across 11 states now live in a jurisdiction where local policies favor fossil fuel-free, healthy buildings.
California is committing to a plan that will make it the first US state to phase out gas-fueled furnaces and water heaters in homes, a move environmentalists are betting will provide a template for other states.