いつか新たなパンデミックは起こる。

2019年、中国・武漢において“最初の発症”が確認された新型コロナウイルス感染症。2023年3月現在、日本の感染者は累計約3,333万人、世界全体での感染者は約5億5千万人以上、死者は670万人以上とされています。

こうした中、ワクチン開発と接種率の向上、治療薬の開発、投与など、感染対策は一定の成果を得られ、世界では早い段階から、そして日本でも少しずつ元の生活に戻り始めています。

「もうすぐ、この“異常事態”は終わる」多くの人がそんな思いに駆られている一方で、コロナウイルスの出現はパンデミック時代の序章だと指摘する声があがっています。

北極からウイルス溢出の可能性が高い

カナダのオタワ大学研究チームが、北極圏北部で最大の容積を持つヘイゼン湖の土壌と湖沼堆積物を採取し、どのようなウイルスがどのような環境下で発生しているか調査を行いました。

その結果、ウイルスが容易に宿主を転換することが確認され、さらに氷河からの融氷水がより多く含まれる水路で採取した試料ほど、ウイルスが漏れ出すリスクが高いことが明らかになりました。

温暖化を食い止めるしか方法はない

現段階では断言できないものの、ウイルスの媒介者や貯蔵庫となる種の生息域が気候変動によって北上すれば、高緯度北極圏はパンデミックが出現する温床となる恐れがあります。

そのためには、最果ての地が厚い氷のままでいてくれることに越したことはなく、つまりは、温室効果ガス排出量を減らし、地球温暖化をできる限り食い止めるしか方法はありません。

ビル・ゲイツも警鐘を鳴らしている

マイクロソフト社の創業者である、ビル・ゲイツもまた「再びパンデミックを体験することになる」と警鐘を鳴らし、違う病原体として出現することを明言しています。

しかし、正しい選択と投資を始めた場合、新型コロナウイルスを最後のパンデミックにすることができるとの期待も寄せています。

そのため、現在の科学的知見とゲイツ財団での自らの経験をもとに、将来のパンデミックを阻止するための具体的な対策だけでなく、世界中のすべての人により良い医療を提供するための方法を模索し続けているとみられています。

新型コロナウイルス感染症パンデミックから学んだ教訓のひとつは、どれだけ技術的・医学的に進歩しても、人類は依然として未知の病原体に対し、とてつもなく脆弱だということです。

日々戦々恐々としながら生きることは窮屈かもしれません。しかし、私たちは常にリスクと隣り合わせで生きていることを改めて認識し、逞しく生き抜く知恵を身につけ、”事前準備”をしておくことが必要なのかもしれません。

引用画像:
https://www.gatesnotes.com/How-to-Prevent-the-Next-Pandemic

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