これからは「女性の一人旅市場」が伸びる。

日本はともかく、世界ではコロナの規制が解除され、旅行にも気軽にいけるようになってきました。

そうなると、人々の旅行欲が刺激され、家族や友達と旅行の計画を立てる人も増えてきているようです。

しかし、「旅行に出たい」という人は増えてはいるものの、「誰と行くか」となると、事情はちょっと違うようです。最近は”ひとり旅”を求める人が多いと、複数の高級旅行会社が語っています。

1人旅の6割が女性

予約1件あたりの平均支払額が3万6000ドルのイギリスの高級ツアー運営会社Scott Dunnは、ひとり旅に関する問い合わせがここ3年で急増している上、ひとり旅の予約の60%は女性とのことです。

北欧諸国の高級旅行を手掛けるUp Norwayの担当者も、ひとり旅をする女性の予約が2019年から40~50%増えたと話しています。

オーダーメードのツアーを運営するMorocco by Designも、今では予約の4分の1が女性のひとり旅です。

そんなことから、これを売り上げを伸ばすチャンスと見て、多くの企業が”女性のひとり旅”市場に対応し始めています。

旅行系の高級ブランドは、2人利用の部屋を1人で使う場合にプラスされる割増料金を免除し始めました。

例えば、クルーズ旅行専門のAvalon Waterwaysや美術館・博物館のツアーのSmithsonian Journeys、ウェルネスリゾートのBody Holidayやプライベートジェット運営のTCS。

ツアー会社のTrafalgarは2022年の初めに女性のみを対象としたツアーを立ち上げ、ひとり旅の女性客に合わせたアメニティや旅行プランを提供し、成功しています。

また、新婚旅行先として人気のモルディブのギリ・ランカンフシもカップルが楽しむあらゆる体験を1人でも楽しめる”ひとり旅”プランを1泊1800ドル~提供しています。

コロナ禍に転機のあった女性達

女性のひとり旅が増えた大きな要因の1つは、やはりコロナ禍です。

コロナ禍で離婚やパートナーとの別れを経験した女性、ロックダウンで子育てや介護に追われた女性が、人生の再スタートを切ろうと、旅行に意欲をもつようになりました。

やっとコロナの規制がなくなり、旅行に出ようとしたらさらなる問題が出てきました。

自分は旅行に行きたいのに、一緒に行こうとしている人の意見を待っているのがもどかしいのです。『どこに行く? 何をする? 』という一連のやりとりがめんどくさい。

つまり、他人のスケジュールに合わせることに疲れ切っているのです。それならばひとりで旅をしたほうがよっぽどいい。それで、一人旅をする女性が増えたというわけです。

これからは、女性が旅に求めているものをくみ取って、サービスを提供できれば、流行ることは間違いなさそうです。



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