スマホアプリが不眠の治療薬になる。

誰でも、仕事やプライベートのことなどで悩んだり、考え込んだ経験があると思います。「一度寝て頭をクリアにしてから考えよう!」と思い、ベッドに入ってみるものの、悩み事が頭から離れず、寝られない人も多いはずです。

考えないようにするほど悩み、眠れない悪循環に陥り「不眠症」になる傾向が強いといいます。こうした状況を解消するために多くの人は「睡眠薬」に頼っていることが現実で、現代病として深刻な問題に発展しています。

アメリカ人の20%は薬を飲んでいる

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、アメリカ人の約20%は睡眠薬を服用していることが明らかになりました。調査の結果「ほぼ毎日飲む」と回答した人は約8%、「たまに服用する」という人は約10%だといいます。

また、18歳〜44歳の人の服用率は5.6%だったのに対し、65歳以上は約12%と、年齢が高くなるにつれて睡眠薬に頼る人が多い傾向にあることもわかっています。

他には、男性よりも女性のほうが睡眠薬を飲む人が多く、収入が低い人ほど睡眠薬に頼らないと眠れない人が多いとみられています。

当然睡眠薬は飲まない方がいい

アメリカでは、およそ5人に1人が睡眠薬を服用している現状について、専門家は警鐘を鳴らしています。

長期間使用しているうちに効かなくなり、そのために用量を増やしても、ある程度時間が経つと効かなくなる「いたちごっこ」のようなこともあるといいます。

また、悪影響を懸念し、急に薬を摂取しなくなると離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こります。さらなる不眠をはじめ、不安、イライラ、焦燥、頭痛、吐き気、抑うつなどがその例で、最悪の場合死に至る恐れもあるといいます。

不眠患者向けのアプリ開発が始まった

睡眠薬は身体に害を及ぼす可能性がある一方、飲まないことによる不眠も身体に悪いことも事実です。薬に頼らない方法や、新たな治療法の確立が急がれる中、日本では治療用スマートフォンアプリの開発が進んでいます。

このアプリは、認知に働きかけて気持ちを楽にする「認知行動療法」に基づいて開発されたといいます。

不眠症患者が毎日の起床、就寝時間を入力し、振り返ることで症状の改善を促し、薬と対面診療に続く新しい「心理治療法」として期待されています。

現代社会において、「スマホ依存」は大きな問題として取り上げられています。特に、夜寝る前のスマホは不眠の原因になるとして、指摘されていることも事実です。

しかし、”逆転の発想”で、不眠を解消することに活路が見出されたのは、ある意味、私たちは薬から脱却をしなければならない現実に直面しているのかもしれません。

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