玉ねぎ製の容器が生まれる。

現在、年間800万tのプラスチックごみが世界中の海に流出し、2050年までに海洋中のプラスチックの量が魚の重量を超えることが予測されています。

このままでは、私たちに日々の糧を与え、育んでくれた豊かな海を未来の子供たちに残すことはできないことが懸念される中、イギリスではプラスチックによる環境問題を解決する対策が強化され、飲食業界は対応を急がれています。

使い捨て容器の使用が禁止される

イギリス政府は、2023年10月からプラスチック製使い捨て容器やカトラリーを小売店やテイクアウト飲食店での使用を禁止することを発表しました。

同国では年間27億本の使い捨てカトラリーと7億2,100万枚の使い捨て皿が使用されていますが、全体のリサイクル率は10%にとどまっていることが事実です。

さらにカトラリーの長さが1本15cmだと想定した場合、27億本のカトラリーを縦に並べると地球を8回転半回ることになるといいます。

再利用可能な容器を導入した

プラスチック容器の利用禁止に先立ち、テイクアウト業界では「再利用可能な容器」の導入が始まっています。

ロンドンにあるパン屋では、商品注文する前に缶製の容器、つまり「弁当箱」の購入を前提としたテイクアウト料理を提供しています。

再生可能な容器は1回しか使うことができないのに対し、繰り返し使える缶の弁当箱はごみを減らすことにつながる効果があるとみられています。

玉ねぎは食品ロスに貢献する

そんな中、スコットランドを拠点に活動するデザイナーはプラスチックの代替素材として「玉ねぎ」の利用を提案し、話題を集めています。

世界中で栽培され、食されている玉ねぎは、ポピュラーな食材だからこそ、皮や根などの廃棄も相当な量になるといいます。

イギリス国内の廃棄量は年間に66,000tも発生し、その処理にかかる費用は2,300万ポンドと高額であることが課題ですが、容器に作り替えることで廃棄にかかる費用を削減することが実現するといいます。

また、玉ねぎの皮は食品の鮮度を保つのに役立つ抗菌成分や抗酸化物質を含んでいるため、食材の賞味期限を伸ばし、食品廃棄を減らすことにも役立つとみられています。

プラスチック問題だけではなく、食品問題にも貢献する可能性のある玉ねぎに大きな期待が寄せられています。

引用画像:
https://www.bbc.com/news/science-environment-64253130
https://www.pressandjournal.co.uk/fp/news/highlands-islands/5312872/renuka-ramanujam-onion-skin-oban-plastic/

参考サイト: