トレンドは『脇毛ボー』である。

街中やインターネット上の至る所で、美容脱毛の広告を目にします。「全身ツルツルにしたい」「VIO脱毛に興味がある」など、脱毛に関心がある人が多いことでしょう。

いま脱毛は世代や性別を問わなくなり、処理をする体の部位も広がっています。この「無毛社会」とも言える状況は、歴史的にも世界的にも珍しいとの指摘があります。

一方、いま女性に体毛は存在しない」という幻想に反逆し、あえてムダ毛を剃らない女性が増えています。

ある調査では、ミレニアム世代の女性の4人に1人は、ムダ毛処理をしていないといいます。

また、女性の体毛は自然だとアピールする“ジャニュヘアリー運動(=Januhairy)”が注目されるなど、昨今のボディヘア事情が大きくシフトしています。

生やすことが自由の象徴であり、これに強く共感するインフルエンサーやセレブなども、ナチュラルなワキ毛を見せた姿をインスタグラムに投稿している。

アシュリー・グラハムは今年の1月に息子を出産して以来、新米ママとしての生活を赤裸々にSNSに投稿しています。

中でも反響が多かったのは、ワキ毛を披露した1枚。そのリアルな姿は、多くのフォロワーたちから激励のコメントが寄せられた。

一方で、人気テレビドラマシリーズ『ザ・クラウン』でダイアナ妃役が決定し、注目の若手女優に躍り出たエマ・コリンも、未処理の脇のムダ毛をインスタグラムに投稿しました。

さらに、過去にはマイリー・サイラス、エミリー・ラタコウスキー、マドンナらもレッドカーペットやイベントでムダ毛を堂々と見せつけました。

“毛があることはごく普通”だということをアピールしているのです。

NIKEもトレンドにいち早く対応している

ロンドンのマーケティングエージェンシーの「ミンテル」の調査によると、ミレニアム世代の女性の4人に1人がここ数年でワキ毛の処理をやめていることが明らかになりました。

この数値は、外出や触れ合いが少なくなったニューノーマル時代を迎えてから、さらに上昇したことが予想されます。

こういったボディヘア事情の変化に伴い、多くのブランドも広告ヴィジュアルをシフトしている。

昨年ナイキ(NIKE)は、ミュージシャンでヴィジュアルアーティストのアナスターシャ・エヌークを広告塔に起用し、ワキ毛を見せたポージングが話題となりました。

また、サブスクリプション型のシェイバーブランドのビリー(BILLIE)やサステナブルな制汗剤を打ち出すヌード(NUUD)もプロモーションにワキ毛をしています。

この変化を決定づけるものが、SNSを中心に始まった“ジャニュヘアリー運動(=Januhairy)”です。

これは女性の体毛を自然なものとして定着させる手段として、アンダーヘアやワキ毛、スネ毛を生えさせた姿をインスタグラムに投稿するというアクティビズム運動です。

そのアカウント(@januhairy)のフォロワーは約3.4万人にも達しています。Z世代を中心としたワキ毛を染める「ユニコーンヘア」がビューティートレンドに浮上しています。

ジャニュヘアリーは密かなブームで終わってしまうのか、気になるところです。

いずれにせよ、すべての女性が、いつまでもイキイキと自分らしく生きられる社会にしていくことが一番のポイントではないでしょうか。


引用画像:
Instagram/@emmacorrin/Emma Corrin
Instagram/@Annahstasia/Annahstasia Enuke

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