あまりいいイメージのない「孤独」。
しかし、一人でいるとき「寂しい」と感じることもあれば、「心地良い」と感じることもあります。つまり、一人でいる状態と上手に向き合うと、心地よさを感じられる、ということです。
では、1人でいても心地よく感じられるためには一体どうすればいいのでしょうか?
ひとり時間は自分をポジティブにする
アメリカ・ミドルベリー大学の助教授であるヴァージニア・トーマス氏は「私たちが一人の状態をどう感じるかは、自分でその状態を選んだかどうかに左右されます」と語っています。
外的な要因でやむを得ず一人でいると、孤独感に襲われたり、他者と関わることに強い不安感を持ったりしやすいです。
しかし、自発的に一人の状態を選んでいる場合は幸福感が高まりやすい傾向にあります。
トーマス氏は、2019年に10代・20代の若者を対象とした研究を発表しました。
どの世代も自発的に一人の状態を選んでいる人は、自己成長しやすかったり、ありのままの自分を受け入れやすかったりするなど、ポジティブな様子が見られたそうです。
孤独の良さを受け止める
「孤独」と聞くと、あまり良くない状況を想像することがあるかもしれません。
それは「一人で行動すること=いけないこと」という認識のフィルターを、無意識にかけているからではないでしょうか。
本当は一人でいたいけれど、みっともないからやめておこうと自分の気持ちを押し殺してしまう人もいるかもしれません。
一人でいることよりも、友達が多く流暢に会話ができることのほうが健全で重要であるかのように感じてしまうかもしれません。
また、イギリス政府によると、若者、障害者、LGBTQの人が慢性的な孤独に陥りやすく、慢性的な孤独状態にある人は精神的苦痛を抱えやすいといいます。
周囲との断絶を感じている人が、他者と繋がれるようサポートすることは大切です。
しかし、静かに思索したり、やりたいことに集中したりするために、一人の時間を意識的に確保する自由も尊重したいですね。
一人の時間を楽しめるのは、内向的な性格の人だけではありません。どのような性格の人でも、一人の時間をどう使いたいか分かっていれば「孤独の良さ」を受け入れられます。
一人でいても、他者と過ごしていても、時間が貴重であることに変わりはありません。せっかくなら、その時間の良い面を引き出したいものです。
今一度、一人の時間の向き合い方を考え直してみるのはどうでしょうか。
参考サイト:
自発的に一人の状態を選んでいる人は、やむを得ない事情により一人でいる人と比べて、ウェルビーイングが高まりやすい。そんな研究が発表されています。一人の時間を充実させる、ヒントが隠れていそうです。
昨今の様々な研究によって、孤独が死亡リスクを29%も高めることや、うつやアルツハイマーを誘