植物由来の原材料を使った代替食品のニーズを受け、近年はさまざまな「プラントベースフード」が開発されています。
豆乳をはじめとする植物性ミルクも多様化し、アーモンド、オーツ、ライスなど選択肢が広がっています。そんな中、健康志向だけではない新しい観点で代替ミルクの開発が進められ、注目を集めています。
代替ミルクは気候変動対策になる
アメリカを中心に「牛乳離れ」が加速していますが、その背景には栄養比較だけでなく、環境倫理の観点からも植物性ミルクを選ぶ大きな要因となっていることがうかがえます。
すべての植物性ミルクに当てはまることではありませんが、牛乳の生産過程において乳牛は、植物性ミルクのおおよそ3倍近い温室効果ガスの排出が行われます。
さらに生産のために必要な土地や水の使用量においても、植物性ミルクよりもはるかに環境への負荷が大きいことが事実です。
つまり、このような環境保全やサステイナブルの観点から、食生活を見直す人が増えており、食においてもできる限り環境負荷の少ない選択をする傾向があります。
必要な栄養素が全て含まれている
特に植物由来の食品は人々の関心が高く、ソイミルクやオーツミルク、ヘンプミルクやカシューミルク、セサミミルクなど、非常に多くの代替ミルクが登場するほどその動きは早くから進められています。
そんな中、イギリスの企業「Waitrose」は今後ポテトが代替ミルクの主流になると考え、商品の開発を進めています。
タンパク質、ビタミン、ミネラル、繊維、炭水化物など、人間に必要な栄養素が含まれているとのことに加え、低糖質で飽和脂肪酸の含有量が少ないことを理由に、多くの人々に支持されるようになると予測しています。
効率良く栽培ができる
栽培における土地利用に関してジャガイモの栽培は、オーツの栽培よりも2倍以上も効率的であり、他にもアーモンドの生産に必要な水と比べて、ジャガイモは56分の1で済むといわれています。
節約した土地や水を、他のことに使える可能性が広がる上、調達から廃棄、リサイクルに至るまでCO2排出量も牛乳と比較すると75%も低くなるため、サステナブルな社会も実現にも貢献します。
いまや、牛乳アレルギー、ナッツアレルギーの人たちや、ヴィーガンのための代替ミルクではなく、消費者の好みやライフスタイルやサステナビリティへの関心までもがミルクに反映される時代です。
また日本では頻繁に牛乳の大量廃棄が問題になることも事実であり、生産量や供給の問題を考えた時、今後ジャガイモによる代替もひとつの選択肢になっていくのかもしれません。
引用画像:
https://www.thecut.com/2022/02/what-is-potato-milk.html
参考サイト:
Potato milk is coming, and it sounds pretty gross.
植物由来の原材料を使った代替食品のニーズを受け、近年はさまざまなプラントベースフードが開発されている。豆乳をはじめとする植物性ミルクも多様化し、アーモンド、オーツ、ライスなども珍しくなく、選択肢が...