代替肉ヒレステーキの試作品は完成していた。

開発が非常に難しい代替肉ヒレ

最近あちこちで見られるようになった植物由来の代替肉。しかし、ハンバーグはあれど、ステーキはありません。

それは、植物由来の代替肉において、最も実現が難しいと言われてきているのは、ステーキ用の肉だからです。しかしこの分野で、大きな進展がありました。

なんと普通のステーキではなく、厚みのあって柔らかいヒレ肉の試作品が完成していました。

ヒレは、サーロインと並ぶ牛肉の最高級部位です。そのためサーロインは「牛肉の王様」と言われていますが、ヒレは「牛肉の女王様」と言われています。

ヒレの特徴は、脂身が極めて少ない赤身肉でありますが、とても柔らかいことです。その柔らかさを代替肉で再現することが最も難しい箇所です。

CEOはもう試食を済ませていた

カリフォルニア州に本社がある食品テクノロジー企業、インポッシブル・フーズのパット・ブラウンCEOは、試作品はすでに完成し、今年はじめに自身が試食したことを明らかにしました。

「自社のフィレミニョンの試作品を味見しました。本当においしかったです」

ブラウンCEOは、MITテクノロジーレビューの気候・エネルギー担当上級記者のジェームズ・テンプルにそう語りました。

インポッシブル・フーズ社の使命は、肉を食べる消費者を納得させることです。

そこには、より環境に優しい代替肉をつくるだけでなく、味という観点でも本物の肉に匹敵、もしくは上回るというビジョンがあります。

ブラウンCEOいわく、自社製品が同等の動物性食品と「直接対決」できると見なすまでは、同社が商品を発売することはない、と言います。

これまでの最大のハードルは、ステーキとして求められる食感を実現することです。

ステーキの構造を再現するために、牛ひき肉の製造工程を微調整する必要があったとブラウンCEOは語りました。

「本当においしいステーキの特徴とは何でしょうか。私は、ステーキならではの筋肉構造と質感を最高の状態で備えたものが必要だと考えています。

つまり、特定の物理学的性質を正確に作り出す必要があるのです。ステーキには、タンパク質で出来た不織布のような結合組織があり、間質性の脂肪組織があります。

そして、脂肪組織においては、物理学的特性はある程度重要であり、口溶けのパターンや風味の化学も肝となります」

ヒレステーキとその先にあるもの

ブラウンCEOは最後に、本当の試金石は自分がヒレ肉をどう思うかではなく、消費者がどう思うかだと言いました。

インポッシブル・フーズのその他の計画については、推測するしかありません。当然ながら、ヒレステーキで終わりというわけではありません。

ブラウンCEOも、「あなたが想像できるものはすべて取り組んでいます」と話しています。これからが非常に楽しみです。

引用画像：
https://green-note.life/1097

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