AIが頭痛の治療法を提案するようになる。

「健康で長生きしたい」これは万国共通の願いであり、人として誰もが思う当然のことです。しかし「健康に不安がない」「肉体的にも、精神的にも全く心配がない」このように言い切れる人は少ないのではないでしょうか?

中でも「頭痛」は社会問題ともいわれています。その背景には、寝込んでしまったり、いつ頭痛が起きるのか不安を抱える人が多い一方で、「たかが頭痛」と思っている人が少なくないことにあるとみられています。

頭痛による経済損失は大きい

日本で頭痛に悩んでいる人は3,000万人以上いると推定され、一種の現代病ともいわれています。日常的な頭痛は、欠勤や仕事の効率低下を招き、これによる経済損失は、1人あたり年間176万円にもなるとみられています。

一般的に、頭痛の原因としては、気圧の変化や睡眠不足、ストレスなど日常生活を送る上で身近にある要因が引き金になっているといわれています。

しかし、病的な激しい痛みでない限り、医者にかかることはなく、頭痛の正しい原因もわからず、市販薬で対処している人がほとんどです。

また、頭痛になる前に予防しておこうと、前もっての服用が常態化している人も少なくないとみられています。

頭痛薬が頭痛を引き起こす場合もある

ところが、頭痛が起きて、仕事や生活に支障が出るのを避けるために薬を服用することは、かえって頭痛を引き起こす原因になるという研究結果が明らかになりました。

糸魚川総合病院脳神経外科と糸魚川市の研究チームが、15歳~64歳の市民を対象に調査を行った結果、2.32%の人が痛み止めの使い過ぎによる頭痛に悩んでいることがわかりました。

これは、50人に1人が、頭痛に対して適切な治療を受けていないという結果の現れだと専門家は分析しています。

AIの診断精度は医師より優れている

そこで、糸魚川総合病院の研究グループは、頭痛専門医ではなくても、17項目の問診だけで頭痛の種類を診断し、適切な治療方法を提案するAIシステムの開発を進めています。

研究では、4,000人分の匿名化された問診データと、5種類の頭痛に悩む2,800人分のデータをAIに学習させました。

その結果、頭痛が専門外の医師5人による頭痛の診断正解率は46%だったのに対して、AIを使用した場合は83%に向上しました。

特に、専門治療が必要な偏頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛の診断精度は100%に達したこともわかっています。

今後、複数の医療機関でこのシステムの有用性を検討していくとみられ、AIによる正確な診断で、適切な治療薬を服用できる時代がやってくるかもしれません。

そして、いつかの日か、頭痛薬に頼らない、全く新しい治療法が確立し、社会問題が解決することも期待されています。

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