風船の販売が禁止される。

風船といえば、日本のプロ野球の応援で回の途中に観客みんなで一斉に飛ばすジェット風船を思い浮かめる人も多いのではないでしょうか。

ところが最も古くからジェット風船の使用が定着していた阪神タイガースを筆頭に、新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年から使用が禁止されており、たくさんの風船を見る機会が減っていることは事実です。

そんな中、海外では日本とは全く異なる理由から厳しく風船の販売と使用を禁止する事態が起こり、話題になっています。

風船の使用で罰金を科す

なだらかな丘と、良い波がサーファーを楽しませることで知られるアメリカ・カリフォルニア州のラグナ・ビーチは2023年2月、風船の販売と使用を禁止する法律を制定しました。

市議会は、山火事のリスクと風船が海洋ゴミの巨大な発生源である事実を考慮し、2024年以降、全ての種類の風船を公共施設や市のイベントで使用することを禁じ、違反者には最大500ドルの罰金が科されるといいます。

アメリカ全土に拡大する可能性もある

こうした動きは、成長トレンドとして他の州でも取り入れられています。メリーランド州とバージニア州は2021年に風船の意図的な放出を禁止し、ニューヨーク州とフロリダ州でも同様の措置の導入を検討しています。

さらに今後、ビニール袋に代表されるプラスチックと同様に、パーティーで使用されるアイテムが環境に与える害が認知された場合、バルーンの使用禁止のエリアがさらに拡大する可能性を専門家は指摘しています。

風船の生分解性を主張する人もいる

風船メーカーによると、環境に配慮した風船として、一部は生分解性プラスチックでできた風船が販売され、16週間経過すると堆肥の中で分解されることを主張しています。

しかし、風船には生分解性を妨げる可塑剤が追加されていることに加え、土壌で分解できる物質は海では分解できない特性があることもわかっています。

海洋生物の死因にプラスチックの誤飲があげられると「証拠がない」という理由から、全てを結びつける風潮を避ける動きがあることが事実です。

しかし、生分解性が完全に機能しないことが明らかになった今、生物が誤飲するリスクが減らないことを再認識し、人間は「使ったら正しく捨てる」この行為の徹底が世界中に求められています。

引用画像:
https://www.flickr.com/photos/usfwshq/8080505347/

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