就業者にとってオフィスへの通勤は運動量を自然に確保できる手段です。しかし、コロナ禍によって、通勤を伴わないテレワークが急速に拡大し、結果的に運動不足になっていることが多いとみられてます。
こうした状況を解消しようと、運動を始める人も増えていますが、特にウォーキングは手軽に始められるとして、街でも見かけることが多いはずです。
そんな中海外では、新しいウォーキング「ノルディックウォーキング」が誕生し、注目を集めています。
強化トレーニングとして使われていた
元々、ノルディックウォーキングは、北欧のスキーヤーたちが雪のない夏の期間に体力を維持するための強化トレーニングとして取り入れられてきました。
フィンランドでは、一般の人でも楽しめるように専用のポールを使用し、より簡単な健康運動として紹介されたのがはじまりで、現在、北欧では老若男女誰でも親しめる運動として親しまれています。
ポールを持つことで全身運動ができる
ノルディックウォーキングが、普通のウォーキングと大きく異なる点は、専用のポールを使った4点歩行であることです。
ポールを使用することによって、両足にかかる負担が30%軽減し、上半身も積極的に動かすことができます。つまり、ノルディックウォーキングは、歩くだけで全身を使った運動ができるということです。
さらに、ポールの長さで負荷を変えることができるため、初心者から運動に馴れている人まで幅広く楽しめることも特徴です。
高齢者でも「無理のない姿勢」を維持できることから、転倒を予防でき、さらに「無理のない呼吸」で運動できるため、安全に歩くことができるといいます。
海外では運動療法にも期待されている
さらにカナダの学術誌に掲載された論文によると、ノルディックウォーキングは、心臓病の患者の心機能改善に効果的であることも明らかになりました。
研究はノルディックウォーキング、高強度インターバルトレーニング、中・高強度運動と3つのグループに分かれて、12週間のリハビリが行われました。
その結果、実験前と比較して、中・高強度運動は12%、高強度インターバルトレーニングは13%の心機能改善につながります。対してノルディックウォーキングは、19%と大幅に改善することがわかりました。
これはノルディックウォーキングが中・高度運動や高強度インターバルトレーニングの運動よりも、筋肉を多く使っていることに関係しているとみられています。
運動は、健康的な習慣づくりの一部です。いくつになっても運動を習慣にすることは可能であることから、さっそく始めて、心身を健康に過ごしたいですね。
引用画像:
https://www.today.com/health/diet-fitness/nordic-walking-full-body-workout-heart-health-rcna40095
https://jpn.mizuno.com/walking/nordicwalk
参考サイト:
コロナ禍における運動不足解消のひとつとしてランニングをおこなう人が増えているようです。JSPO Plusでもランニングの記事を掲載していますが、走るのはちょっと…という人は、まずは「ウォーキング」からはじめてみてはいかがでしょうか。
先月、学術雑誌『Canadian Journal of Cardiology』に、ノルディックウォーキングは冠状動脈性心疾患の患者の心機能改善に効果的という研究結果を記載した論文が掲載された。驚くべきことに、高強度インターバルトレーニング(HIIT)よりも効果があったそうなのだ。
はじまり 雪原をスキーで滑るウィンタースポーツ「クロスカントリースキー」の選手が、雪のない夏の期間に、体力を維持するための強化トレーニングとして行っていました。 当時は「同じ長さ、肩まであるポール」を使用した高強度のエクササイズでしたが、1