日本の自転車保有台数は約6,870万台と、国民2人に1人が所有している計算で、乗用車の保有台数と同程度といわれるほど、自転車が普及しています。
さらに、コロナ禍において人との接触を避ける目的や健康志向の高まりで自転車移動がより加速する反面、自転車事故の割合は増加傾向にあり、社会問題になっています。
ヘルメット着用が努力義務化された
そんな中、2023年4月1日から改正道路交通法が施行され、全ての自転車利用者のヘルメット着用が”努力義務化”されました。
警視庁のデータによると、自転車乗車中のヘルメット着用状況別の致死率は、着用よりも非着用が約2.6倍も高く、死者の約6割が頭部に致命傷を負っているといいます。
このような背景から、着用の努力義務化が導入されましたが、 特に大人の場合、見た目への抵抗が強いことから着用率向上に期待できないとの見方もあります。
自転車用エアバッグが開発された
そんな中、自転車用ヘルメットの問題を解決するべく、フランスに本社を置くエアバッグ製造メーカー「In&Motion」は、身につけるのエアバッグの開発を進め、注目を集めています。
同社が開発している自転車用のエアバッグは事故を検知すると、わずか0.1秒で展開し、背中と胸、首、頭を保護するクッションが上半身を保護するというものです。
背負うだけで頭部を保護できる
ノートパソコンも収納可能なサイズであることから実用的であり、エアバッグ展開と同時に緊急通報を発することも可能で、搭載されているGPSの位置まで自動的に救助を要請できます。
またなんといっても、ヘルメットを身につける必要がなく、衝撃が加わった時だけ頭を保護できることから、髪型の崩れなど見た目を気にする人でも、抵抗なく身につけられるため、普及することが期待されています。
かつて、自動車のシートベルト着用について、任意から義務にしたところ、一気に着用の意識が高まり、交通事故による死者数が大幅に減少したといわれています。
こうしたことから、自転車による事故を減らすのであれば、ルールの厳罰化や、ヘルメット着用を”義務化”するべきとの声があることが事実です。
しかし、日常的に自転車に乗る人にとっては、日々危険と隣り合わせであることから、過剰に見た目を気にせず、ヘルメットを自主的に被ることが求められているのかもしれません。
引用画像:
https://stan.inemotion.com/en?_ga=2.250337858.511574772.1673663049-655749057.1673663049
参考サイト:
Stan, le seul airbag intégré dans un sac à dos capable de protéger aussi la tête des cyclistes.
フランスの「In&Motion」が、「STAN」という自転車用のエアバッグを開発。事故を検知するとわずか0.1秒で展開し、背中と胸、首、頭を保護するらしい。